ツツジが満開の春の日に、お宮参りの撮影に同行しました。今回の主役は生後3ヶ月の女の子。パパとママ、それにおじいちゃん、おばあちゃんも参加し、賑やかなお参りとなりました。
「新しい家族を迎えることができたこと、そして娘が成長していく様子は私たち家族にとっての大きな喜びです。この喜びをぜひ写真に残したいと思い依頼しました」とおっしゃっていたご依頼者。その「喜び」をどのように写真に収めていくのでしょうか。参拝客で混み合う神社の中で、テキパキと撮影を進めていく様子も必見です!
人混みを感じさせないポジション取り
待ち合わせ場所は神社の境内。目印となる赤い門の前で「はじめまして!」と挨拶を交わします。主役の赤ちゃんはパパの抱っこで眠っている様子。フォトグラファーの小西隆博(こにし たかひろ)さんは落ち着いた口調で手短に今日の撮影の流れを説明します。まだ会ったばかりなので、皆さん緊張した面持ちで聞いていました。
最初の撮影スポットである本殿付近に移動しました。ママが赤ちゃんを受け取り、前向きに抱っこ。その上から産着をつけていきます。
今回の赤ちゃんは生後3ヶ月で首がしっかり据わっていたので縦抱きができました。首が据わっていない赤ちゃんの場合は、二の腕と肘を枕のようにして、しっかりと首を支えてあげてくださいね。
抱っこの準備が整いました。産着と襦袢の紐をまとめて袖に通し、背中でちょうちょ結び。こうすることで袖の模様もしっかり見えますね。こちらの産着はかつてママが赤ちゃんのときに使ったという年代物!少しシミはあったものの、とてもきれいな状態で保管されていました。おばあちゃまの愛情を感じます。
さぁ、さっそくメインとも言える本殿前での記念撮影です。ところがこの日はイベントの開催期間と重なり、お賽銭箱の前には長蛇の列!こんな人混みの中でいったいどんな写真になるのでしょうか。
そのときの写真がこちら!本殿を斜めに捉え、石灯籠を効果的に目隠しとして使ったことでほとんど人混みが気になりません。青空もきれいに入って、広がり感のある堂々とした一枚になりました。
写真を確認してもらうと「私たちしかいないみたい!」「さすがプロですね!」と口々に驚きを隠せない様子の皆さん。小西さんの「プロの技」で早くもガッチリご依頼者の心をつかんだようです。
記念写真に「あなたがかわいい!」を表現
人混みの本殿前は短時間で済ませ、次の撮影スポットへ移動します。春とはいえ日差しの強い日でしたので、ママの体調に気遣いながら世間話で和ませます。日傘を持ってくれているおじいちゃま、素敵ですね。
さっきは王道の記念写真でしたが、今度はちょっぴり変化を持たせて撮影していきます。「○○ちゃんの方を見てくださいね〜」「ほっぺをツンツンって触ってみてくださいね〜」とフォトグラファーの小西さんが優しく声をかけます。
ほっぺにぷちゅっ♡ のかわいい写真が撮れました。大人たちの表情から「あなたがかわいい〜!」という気持ちがあふれていて、胸がきゅんとなる一枚です。フォトグラファーのちょっとした演出でご家族の愛情が写真に刻まれました。
季節の花ツツジを背景に
続いては大きなツツジの前で撮影です。フォトグラファーの小西さんが撮影前のロケハンで見つけていたこの場所は、境内の脇に入ったところで人の流れも少なく、さっきまでの喧騒が嘘のようです。一昔前までは「抱っこ担当はお姑さん」と決まっていたようですが、最近では皆さん交代で抱っこすることが増えています。この日も代わる代わるに皆さん抱っこしていました。
パパとママ、主役の赤ちゃんでの一枚。ピンク色が写真全体をパッと明るくさせていますね。ツツジの丸いフォルムに柔らかさがあり、女の子の赤ちゃんにぴったりです。
型通りの写真だけでなく、こんな準備シーンも撮っていました。ママとおばあちゃん二人でパパに産着をつけています。おじいちゃんはというと、かわいいお孫さんにメロメロ♡ ご家族にとっては写真がなかったら決して見ることができなかった、貴重なシーンです。
「ツツジを入れて撮りたい」というのはご依頼者の要望でもあったので、それぞれのツーショットやご夫婦とのスリーショットなど、組み合わせを変えながらたっぷり撮影しました。
チラッと覗いたおててがかわいい♡ お孫さんとのこんな写真があったら、きっとお友達に自慢したくなっちゃいますね!
主役の赤ちゃんの笑顔のために
赤ちゃんのご機嫌が良かったので、石のベンチがある場所へ移動し、ソロショットを撮影することになりました。おくるみを下に敷いて、赤ちゃんを寝かせ、産着を布団のように掛けます。「○○ちゃ〜ん!」「こっちだよ〜!」と皆さん自然と声掛けをしています。「いい表情を撮りたい/撮ってほしい」という思いで、この日一番の一体感が生まれていました。
そのときの写真がこちら。しっかりカメラ目線でお目目がパッチリ開いています。「お宮参り撮影のときはいつも、起きているタイミングを狙ってお子さま一人の写真を提案しています」と撮影前に話していた小西さん。狙い通りの一枚が撮れました。
最後にこの日撮影した写真をカメラのモニターでチェックしてもらっています。「わぁ、すごい」「これいいねー!」と、次々と画面上に現れる写真にうっとり。どこかはにかんだような安心したような表情のご依頼者です。
小西さんはいつも全部の写真をチェックしてもらい、「他に撮りたい写真はないか、心残りはないか」と必ずご依頼者に聞くそうです。あとから撮り直すことはできないとわかっているからこそ、お互いに悔いの残らないようにという強い気持ちが現れていました。
このあともご依頼者の追加のご要望で何カットか撮影し、一時間の撮影が無事に終わりました。赤ちゃんは一度も泣くことなく、終始ご機嫌。何よりこの皆さんの笑顔が撮影の満足度を表していますね!
そのほかの写真はこちらから♪ →「家族全員の幸せそうな笑顔に皆で大喜び」春のお宮参り撮影
まとめ
今回は生後3ヶ月の赤ちゃんのお宮参りでした。もう首が据わっていたので、縦抱きでしっかりお顔を見せながらの撮影ができました。
パパとママは前日の夜「どうしたら泣かずに撮影できるか?」と作戦会議をしたそうです。出かけるギリギリまで寝かせて、出発直前にミルク。その甲斐あって赤ちゃんはずっとご機嫌で、撮影は中断することなくスムーズに進みました。撮影の準備は前日から始まっていたんですね!
フォトグラファーの小西さんは、撮影開始直後に「さすがプロ!」と言わしめた安定感のある腕前。でもご依頼者の信頼感を得た本当の理由は、的確で丁寧な対応だったのではないでしょうか。撮影の流れをあらかじめ共有することで、ご依頼者にとっては次の動きがわかるので不安が減り、要望も伝えやすい雰囲気になっているように感じました。
お宮参りは、お子さまが生まれて初めての外出、初めての大きな行事という方も多いですよね。あとで見返したときに「あなたが生まれてうれしい!」という気持ちがお子さんに伝わるような素敵な写真をたくさん残していってほしいと思います。