実はお宮参りは、地域ごとに異なる風習やマナーがあります。
関東と関西、北の東北や北海道と南の九州や沖縄など、それぞれ地域によってお宮参りの伝統的なルールがあり、両家親族が生活する地域が異なる場合は、事前に地域別の伝統知識を知っておきましょう。
目次
1. 地域で異なるお宮参りの実施時期
2. 関西の風習、紐銭(ひもぜに)・帯銭(おびぜに)とは?
紐銭・帯銭は何を結ぶ?相場は?
3. 赤ちゃんのおでこに文字や印を書く意味とは?
「あやつこ文化」はどこの地域の文化?
4. 赤ちゃんは誰が抱っこする?
1. 地域で異なるお宮参りの実施時期
お宮参りの実施時期は、基本的には「生後1ヶ月前後」に行いますが、地域によって異なるため、事前にリサーチしておきましょう。
- ・生後30日前後:北海道・東北・関東・東海・関西・四国・中国・九州
- ・生後100日前後:北海道一部地域・関東一部地域・北陸
- ・生後51日目:山形一部地域・静岡富士山周辺
- ・男の子は生後120日/女の子は生後110日:青森一部地域
- ・男の子は生後55日/女の子は生後33日:静岡浜松一部地域
- ・北海道や東北などの寒冷地:冬の時期を避けて行うのが一般的
- ・沖縄県:お宮参りはせず、百日祝いを行う
2. 関西(近畿地方)の風習、紐銭(ひもぜに)・帯銭(おびぜに)とは?
関西(近畿地方)では、赤ちゃんが将来お金に困ることがないようにという願いが込められた、紐銭という風習(帯銭とも呼ばれる)があります。
これは江戸時代から続く風習で、硬貨を赤ちゃんの祝い着に結びつけたのが紐銭の始まりと言われており、紐銭とは「親戚や親しい友人から贈られたお祝い金」であり、現代ではご祝儀袋のことを指します。
紐銭・帯銭は何を結ぶ?相場は?
12ヶ月間お金に困らないようにという意味を込めて、5円玉硬貨を12枚、麻紐に通して産着に結びつけます。
また、でんでん太鼓や扇子、犬張り子などの赤ちゃんの成長を祈願した縁起物を一緒に結びつける地域もあります。
近年ではお祝い金の入ったご祝儀袋をぶら下げることも多いそうで、紐銭・帯銭は数が多ければ多いほど縁起がよいと言われています。
紐銭・帯銭のお祝い金の相場は、1,000円~5,000円前後となります。金額に厳密な決まりはないので、用意する側はママパパとの関係性を重視して決めるとよいでしょう。
3. 赤ちゃんのおでこに文字や印を書く意味とは?
地域によっては、お宮参りで赤ちゃんのおでこに「犬」「大」「小」「×」などの文字や印を書く「あやつこ文化」というものがあります。
平安時代が起源とされ、悪霊よけのおまじないと、赤ちゃんが元気で健康に育つようにとの願いが込められています。
赤ちゃんのおでこに書かれる「×」印は魔除けの力があると考えられていて、「大」は男の子が大きく元気に育つように、「小」は女の子がやさしく健やかに育つように、「犬」は犬のお産は軽く健康に育つことから赤ちゃんが元気に育つようにとの願いが込められ、おでこに書き入れているのだそうです。
「あやつこ文化」はどこの地域の文化?
主に、大阪・京都・兵庫・奈良など関西が中心の風習ですが、一部東京都内や埼玉県などの関東や九州でも同様に、赤ちゃんのおでこに印をつける神社があるようです。
地域の風習やお参りする神社によって異なるため、事前に調べておくと良いでしょう。
4. 赤ちゃんは誰が抱っこする?
かつてのお宮参りは、父方の祖母が赤ちゃんを抱っこをするしきたりがありました。
しかし現代のお宮参りでは、多くが昔ながらの形式にこだわらない傾向にあるため、一般的に誰が抱っこをしても良いとされています。
産後間もないママが一日中抱っこするのは大変なので、参加者が順番に抱っこすることでママへの負担も軽減されます。
ただ、地域によっては今でもしきたりを大切にするご家庭もありますので、両家の祖父母を招待する場合は特に家族間でトラブルにならないよう、事前にすり合わせや相談をしておくと安心です。